夏目知幸(ミュージシャン)
Volkswagen Lupo

インタビュー/オカタオカ @okataoka
photo/濱田広輔 @kosukehamadas

CAR LOVERS MEETING 2【後編】
夏目知幸(ミュージシャン)
Volkswagen Lupo

○ランクルも似合いそうです。今回、鹿児島から東京にきて思ったのはゲレンデの数が多すぎて、鹿児島でいうとハスラー並に走ってると感じてて。ゲレンデはもはや東京のハスラーだなと(笑)。
いや、本当多いっすよね。でも、ゲレンデ関連でいい思い出がひとつあって。B1に乗ってる時のことなんですが、目黒にある<花すけ>っていう仲のいい花屋で買い物した帰り道、近くの交差点で停まっていたら、隣のゲレンデに乗ったおじさんが僕に向かってすごい叫んでるんですよ。なんだろうなと思って窓を開けたら、「俺も昔それ乗ってたよ! 大事に乗ってんな!」って(笑)。

○B1から成り上がってゲレンデに乗るサクセスストーリー。ここまで上がってこいよみたいな(笑)。
そうそう。「まあ中古っすけど」みたいな。色んな意味で高低差がある話でした(笑)。

○車の内装にこだわりはありますか?
それがあんまり無くて。今の内装で言うとオーディオはMDしか聴けないんですけど、デザインがすごいハマってるし、MDが入る窓のところにワーゲンのロゴがあったり、そういう細かいところは萌えポイントなんですよね。なのでFMトランスミッターを買って、Spotifyとかはそれで聴いてます。それに僕はよく、自分で作った音源を車で聴いて最終チェックをするんですよね。結構ミュージシャンはやる方法なんですけど、FMで一回飛ばして聴くと色々なことが想像できる感じがして。

○ちょっと客観的に聴けるというような?
そうです。後は完成した物が放送で鳴るならこういう感じで聴こえるかなとか。たまに混線したりもするんですけど、楽しんで聴けてますね。

○その使い方も、ならではって感じで素敵です。
やっぱ低音が篭ってたり、変に重なってたりすると、車で大音量で鳴らした時に車内が嫌な感じで籠るんですよ。それがいい感じにできてると、音量をいくら上げてもうるさくなかったり、居心地よく低音が鳴ってくれたりするのでそのチェックをするっていう。

○めちゃくちゃいい話ですね(笑)。Highwayの一輪挿しも愛用してくれてると思うんですけど、実際使ってみてどうですか?
それこそ僕は余計な物はあまりなくていいタイプなんですけど、あれは可愛いし欲しいって思いました。車って動く部屋だとも思っているので、あの一輪挿しひとつでプライベートなスペースだぞっていう印になり、部屋感が増しますよね。もちろん生花もいいんですけど、車内に生き物をずっと置いとくのは可哀想な気もするし枯れないからって理由もあって、今はIKEAの造花を生けています。

○車で聞いている音楽はありますか?
自分の確認用以外では大体ラジオか無音で、誰かを乗せる時は自分で作ったプレイリストを流したりしますね。普段クラブに行った時にいい曲だとシャザムして、それをどんどん貯めていってプレイリストを作るんですけど、実際そんなに聴く機会ないから車で聴いてますね。一緒に音楽を作ってる仲間とかと共有してインスピレーションを得たりとかもあります。

○そんな夏目君にとって、車とは?
スターウォーズのR2-D2的な優秀な相棒。いつか喋るんじゃないかと思っていて、まだそうなってないけどそんなムードで車と付き合っていきたいと思ってますね。それに車って、なんかある時に乗ることになるんですよね。身内になんかあったら駆けつけるのには車になるし、自然と自分の感情に付き合ってくれるというか。あとは、車内だと何でも話しちゃうムードあるじゃないですか? だから急に、後輩のバンドやってるやつのリアルな悩みとかを聞いたりとか、喫茶店だと言えないことでも車だったら言えたりとか。そんな時に相棒である車は聞くでもなく何処かへそっと運んでくれるというか。

○確かに。流れる景色の中、同じ方向を向いて話すのもよくて色々話せますよね。
あれはいいっすよね。そう言われると、小さい時から親と車で話してた気がするし。うん、数少ない超プライベート空間なのかもしれない。


夏目知幸のソロ名義“Summer Eye(サマー・アイ)”。
2009年にシャムキャッツのヴォーカル&ギターとしてデビュー。ロックの探求とインディペンデントな活動を通して、多くの若者たちに支持されながらも2020年に解散。翌年、1stシングルリリースとともにソロ・デビュー。ライフワークであるコラージュ制作や、楽曲提供・執筆・DJなど、自由な表現で世界のおもしろさに貢献中。

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